記事一覧

REASTERISK/HADES辛口レビュー

REASTERISK(リアスタリスク)は、元inchwormのメンバーが中心となって結成された、ゴシック系メタルバンドで、私にとっても思い入れの深いバンドです。

先日(と言っても、もう昨年12月のことになりますが)、結成一年にして初CD『HADES』(ハーデス)のレコ発企画ライブがありました。5曲入りのミニ・アルバムですが、この機会に、『HADES』のレビューをしてみたいと思います。

ファイル 72-1.jpg

若干辛口のレビューとなりますが、inchwormというある意味頂点を極めたバンドのメンバーが複数在籍する以上、いたしかたないでしょう。

REASTERISK/HADES
ファイル 72-2.jpg

1.PROCIDENTIA

イコライジングされたタムタム(?)の単音のリズムにギターが絡み、ドラムによって加速されて歌に入ります。イントロがかっこいいです。
そして、全盛期のinchwormを彷彿とさせる、甘くリリカルな、Aメロにつながります。かなりポップですが、このAメロが実に素晴らしく、ヴォーカルnanaの声質もREASTERISKに合っていると思います。多重録音のコーラスも見事です。
ところが、サビメロが経過句(他のメロディーへのつなぎの役目をするメロディー)のように聴こえ、不完全燃焼で終わってしまいます。
この曲には、展開部にCメロがありますが、こちらをサビに持ってきたほうが良かったかもしれません。

2.SPELL

この曲がより新生REASTERISKらしい曲と言えそうです。ヘビーな導入部から、Aメロに入るとギターが抑え気味になり、ベースとドラムがボーカルを支えます。この部分がこの曲の聴き所です。
ここは、どうしてもベースに耳がいきます。ここぞといったベースラインが欲しいところですが、kateのベース・ラインはいまひとつアピールが不足のような気がします。
また、サビに入ると、メロディーが若干先を急ぎすぎたという気がします。サビのメロディーが唐突で、ものごとが簡単に解決してしまって、なにか肩すかしをくった感じがするのです。

3.VACANTUTOPIA

ヘビーなイントロから、抑え気味のAメロに入る点は、前曲『SPELL』と同様の構成ですが、若干スローテンポで重厚な雰囲気を醸し出しています。
ただ、サビメロに関しては『SPELL』と同様の傾向を感じます。

4.WALTZ

この曲も『SPELL』と同様の構成の曲です。4拍子の曲なのに、なぜかタイトルが『WALTZ』です。歌詞に「I want to dance a waltz with you!!!」
という一節があり、この歌詞がタイトルの出所のようです。この歌詞の直後に、曲が数小節のあいだ3拍子になると良かったかもしれません。
この曲に関してはサビがうまく展開され、非常にいい曲に仕上がっていると思います。
難点は、Cメロの歌詞が日本語になるのですが、ここでテンションがガタッと落ちます。

5.UNAWARE

唯一アコースティック・サウンドの曲。ブリティッシュ系フォークとして、曲の完成度は高く、文句のない佳曲です。2本のギターの繊細な演奏に乗って、nanaの清冽なボーカルが光ります。
REASTERISKが新しいバンドであることを感じる曲で、このミニアルバムは閉じられます。

総じて、良くできたミニ・アルバムだと思います。

ただサビメロの作り方がじゅうぶん練り上げられていない感があるのと、日本語の歌詞のメロディーへの乗せ方にも問題がありそうです。
単純に同じメロに英語と日本語を乗せたら、英語のほうがはるかにメリハリが出ます。1960年代後半に先人が日本語のロックを作り上げるのに苦労した成果が、REASTERISKでは活かされていないような気がします。
最後まで歌詞を英語で通すか、日本語の乗せ方に真剣に取り組むか、どちらか選択が必要でしょう。

また、kateのベースがワンノートでの演奏が多い。ライブでもベースの存在感が薄いような気がします。ワンノートの必然性がある部分は別にして、その他の部分ではじゅうぶんフレーズづくりをすべきだと思います。

それらをクリアして、REASTERISKがすごいバンドになることを期待したいと思います。