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マーラー・ツィクルスI

9月15日からインバル=都響のマーラー・ツィクルスが始まりました。2014年の春まで掛けて、マーラーの交響曲を第1番から第9番まで演奏していきます。

初日を池袋の東京芸術劇場で観てきました。「交響曲第1番」です。

今日の新聞に広告も出ていたし、大いに期待して行ったのですが、なんだか少しも感動できなかったんですね。

インバルのマーラーの集大成がこんなはずでは…とがっかりして帰ってきました。

音がすごく悪いように思ったんです。ステージ中央から若干右寄りの席だったのに、比較的近いコントラバスの低音が響いてこない。全楽器の全合奏になると、バイオリンの音がキンキンしてきて、ぜんぜん金管系の音が届かない。

インバルと東京都交響楽団のマーラーは、一昨年に「交響曲第3番」と「交響曲第2番」を聴いてものすごくよかったんですが、場所は、サントリー・ホールと上野の東京文化会館でした。

実は東京芸術劇場へ行ったのは初めてです。家からいちばん近い本格的な音楽ホールなのですが行く機会がなく、今日まで来てしまいました。

東京芸術劇場は、先頃1年半を掛けてリニューアル工事をしていたそうです。
それほど古い訳でもないホールなのに、大規模改修をしたというのは、訳ありなんじゃないかと思った次第です。実はホールの音響が悪いとか。

次回今月末のマーラー・ツィクルスのⅡは、横浜のみなとみらいホールで観るので、ホールの違いによる音の違いも確認して来ようと思います。

映画『プロメテウス』

映画『プロメテウス』を観てきました。

リドリー・スコット監督の最新SF映画というので、期待して映画館に行ったのですが、いまひとつ満足感がありせんでしたね。

Webに上がっている他の人の感想などを読みながら、その理由を考えてみました。

最近のスペクタクルSF映画の平均値は超えていると思いましたので、観て損したというようなものではありません。面白いです。

ただ、リドリー・スコットには『エイリアン』(1です。4までありますが監督はすべて異なります)や『ブレード・ランナー』などの傑作があるので、期待が大きかったということです。「『人類の起源』を検索してはいけない」とか思わせぶりなCMも流れていましたしね。

『エイリアン』はSFホラーと言われていて、一見安っぽく思われたりしますが、間違いなく超がつく傑作SF映画です。避けようとしても避けられない危険と恐怖に巻き込まれていく過程が、緻密に描かれていると思います。

その点で『プロメテウス』の登場人物は、慎重さのかけらもない安易な行動で、その後はひたすらアクションっていうことになります。だから、登場人物に充分共感もできません。

その安易さに最初に驚いたのが、人類を作ったと考えられる高等生物が住んでいた可能性のある星まで数年を掛けて探索に行き、宇宙船が着陸した直後の主人公たちの行動です。「6時間で日が暮れるから、明日にしたら」と言われたにも係わらず、「そんなの待ってられるか」とばかり、なんの事前調査もしないで、宇宙服ひとつで探検に宇宙船から出て行っちゃうんですね。

映像美という点では素晴らしいと思ったんですが、要するに商業主義ってことなんでしょうか。映画制作は、係わる人も多く経費も莫大なので、どうしても商業主義に走ってしまうんでしょうね。

リドリー・スコットほどの巨匠にしても、です。いや、巨匠だからこそ確実に売れる映画を作ってくれることを期待されてのオファーということもあるんだろうなと想像してしまいます。

EMERGENZA JAPAN 事務局を訪問

29日にEMERGENZA JAPANの事務局を訪問して来ました。

訪問の切っ掛けは、事務局のほうからインディーズチケットオンライン宛にいただいた電話です。インディーズチケットオンラインに掲載した「エマージェンザ2012日本大会」の記事を見ていただいたそうです。

現在のEMERGENZA JAPAN 事務局は、株式会社ウィンドゲートという会社が運営しています。去年の決勝戦終了後に運営組織が変わり、ウィンドゲート社が以前の事務局から日本大会の開催を引き継ぎました。最初の日本決勝大会と国際決勝を終えたところです。

現事務局に変わってから、年間通して予選が開催されるようになりました。

ウィンドゲート社は本来は不動産関連の会社ですが、尾嵜社長自身がミュージシャン出身で、大手芸能プロダクションに席を置いたこともあり、エマージェンザ日本大会の先細りを憂いて、事務局として名のりを上げたそうです。

EMERGENZA JAPAN 事務局の皆さん
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今後、情報交換を密にして、エマージェンザ日本大会を盛り上げていくことで一致しました。

私としては、尾嵜代表から「音楽はライフワークです。」という言葉を聞けたのが大きな収穫です。

8月19日 蟲ふるう夜にワンマンライブ

代々木laboで「蟲ふるう夜に」のワンマンライブを観て来ました。

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このバンドは3年くらい前から何度か観ています。

しかし、「蟲ふるう夜に」という圧倒的なイメージ喚起力を持つバンド名に対して、音は名前倒れのバンドだと感じていました。

演奏はテクニック的には上手い、フィジカルにはという意味です。でも、曲とギターがちぐはく。

曲に見所はあったので、残念なバンドだなぁと思っていた経緯があります。それで、前回観たとき(といっても一年以上前)、ステージ終了後ボーカルのAriさんにめちゃくちゃだめ出しをして、その後ブランクがありました。

今回初のワンマンだというメールが来たので、ひさびさに期待半分・不安半分で行って来ましたが、ついに名前に音が追いついたと感じた素晴らしいライブでした。

以前はボーカルのAriがベース・ボーカルの3ピースバンドだったのですが、今回から新たにベースが正式メンバーとして加わり、Ariはボーカルに専念していました。これが、大幅にバンドのレベルが上がった一因でしょうか。

Lighter 190E 2月15日新宿LOFT

お約束どおり今年2番目のライブはLighter 190Eを見てきました。新宿LOFTです。

Lighter 190Eがすごいのは、CDレベルの音が生演奏でそのまま出てくることです。それだけなら、それほどめずらしくないかもしれませんが、「あの音楽性で」というただし書きがつきます。

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女性ヴォーカルのギターといったら、お飾りのことが多いのですが、Lighter 190Eの伊藤里奈のギターは、ライブでもしっかり機能しています。そのおかげもあって、高度な音が聴けます。

最後に演奏した「ドライブ・レコーダー」は後半でかなり強引な転調が展開されるのですが、それが計算され尽くした上での音に聴こえるのはさすが!と改めて思いました。

古井由吉自撰作品 全8巻

新聞の広告欄に古井由吉自撰作品 全8巻の広告が載っていました。3月刊行開始だそうです。

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特別な愛読者ということではありませんが、昔は結構古井作品を読んだほうです。

幻視というジャンルがあったとすればですが、古井由吉は日本文学第一等の作家ではないかと思います。ファンタジー的な幻想文学ではなく、亀裂の入った現実の向こうに別のものが見えるという意味で、比類ない作品を残しています。

「杳子(ようこ)」「妻隠(つまごみ)」の二作品で芥川賞を受賞し脚光を浴びた時は、そのいままでにない作風に大いに驚き、熱狂した記憶があります。「杳として行方が知れない」と言うときの「杳」が名前の女性が主人公だというだけで、惹きつけられませんか?

初期の作品群はそういった意味で懐かしいですが、作品として頂点を極めたのは「栖(すみか)」「親」の二部作、つづく「槿(あさがお)」あたりだったと思います。

それにしても、ふりがなを振らないと読めないタイトルの作品が多いことに改めて気がつきました。

2012年最初のライブ

年末年始、わたくしごとでいろいろあったため、2月になってやっと今年最初のライブに行くことができました。

ブログのほうも、まるまる2カ月ご無沙汰してしまいました。

去年の収穫は、なんといってもHOMM∃とLighter 190Eという2つのバンドに出会えたことだと思っています。今年はこの2つのバンドを見に行くことから始めようと思っていました。

まずは、HOMM∃です。2月5日(日)渋谷O-nestで行われた「ナウロマンティック」を見てきました。このイベントはHOMM∃とソコラノグループと六畳人間の共同企画イベントとのことで、DJの出演もあるとの事前情報を見ていったのですが、DJは出て来なかったなァ。

いや久しぶりのライブだったためか、途中でめちゃくちゃ疲れて、最後までいられなかったんですが。

ちなみにHOMM∃はトップの出演でしたので、しっかり見てきました。

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Lighter 190E

12月5日に下北沢club QueでLighter 190E(ライターイチキュウゼロイー)を見てきました。

Lighter 190Eは、先月渋谷のLUSHで初めて見たバンドです。ヴォーカルが典型的なJ-POP系だと思ったので、最初は興味が持てなかったのが、しばらく聴いているうち、ちょっと違うぞと思い始めました。

Lighter 190E
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演奏がとくかくすごい! CDを買ってみる気になって、物販に置いてあった2枚のCDのうち、新しいほうだという『acrimony』を購入しました。

『acrimony』は4曲入りでシングルと銘打ってはいるものの、4曲がそれぞれ起・承・転・結の役割を果たしていて、じゅうぶんアルバムとして聴けるCDになっています。

女性ヴォーカルは、YUKI+椎名林檎+矢井田瞳+YUIのような感じ(といっても想像がつかないかもしれませんが)なのですが、その奔放自在な歌いぶりに次第に楽曲がJ-POPとはまったく違ったものに聴こえてきます。

バンドのホームページを見ると、年内のライブは12月5日が最後となるようでした。ぜひもう一度見てみたいと思ったので、下北沢Queへ行きました。

改めて見たライブでの演奏は、期待どおりのすごい演奏でした。

2011年11月18日渋谷LUSH

先週18日の金曜日に、渋谷LUSHでLapis Lazuli(ラピス・ラズリ)を見てきました。

Lapis Lazuliというバンドはいくつもあるらしいので、ここで話をするLapis Lazuliは、下記URLのバンドです。

http://lpslzl.web.fc2.com/main.html

Lapis Lazuli
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実はLapis Lazuliのライブを見るのはほぼ1年ぶりでした。メンバー全員が仙台出身の大学生で、昨年末のライブのあと、再び東京でのライブの知らせがないまま東日本大震災が発生しました。その後ぱったり音沙汰がなくなり、震災が春休みの期間だったこともあって、帰省していて震災に巻き込まれてしまったのかと心配していました。

ところがひっこり連絡が来て、1年ぶりの再会となりました。嬉しいことに、メンバーは震災当日は東京にいたため無事で、故郷の家族にも人身に係わる被害はなかったということです。

以前このブログで、「テクニック的にはうまいが音楽を感じないバンドが多くなった」と書いたことがありました。Lapis Lazuliはまったく逆のパターンのバンドです。曲はいいし、演奏センスもありそうなのですが、演奏が未完成。

音を聴いていると、まるでメジャーなバンドの曲を、ちゃんとコピーし切れずに演奏しているといった風情です。簡単に言ってしまえば、アレンジを詰め切れていないということなのでしょう。

ぜひ完成度を高めて、インディーズチケットオンラインのCDベスト20に選出できるような音源を残して欲しいものだと思っています。

新国立劇場『朱雀家の滅亡』2

今日『朱雀家の滅亡』の楽日を観て来ました。

9月20日の初日を観たのち、10月4日にシアタートークという演出家と一部の出演者によるトークショーがありました。そこで「日々いろいろな発見があって芝居も変化している」という話を聞き、ぜひもう一度見てみたいと思ったからです。

この芝居の舞台は客席に細長く張り出した形になっていて、正面だけでなく、舞台の左右にも客席があります。初日を見たときは、正面のC席だったので、どうせもう一度観るなら、ぜひ左右の席で観たいと思いました。インターネット予約だったのですが、右手のR席が出るまで何度もトライして、思い通りの席のチケットを入手しました。

出演は國村隼、香寿たつき、近藤芳正、木村了、柴本幸の5人のみの劇です。

初日に観たときは、國村隼、香寿たつきの充実ぶりに比べて、木村了、柴本幸のふたりの若手が役をもてあましている感じがあったのですが、今日はふたりにも不足を感じることはなく、充実した舞台を観せてくれました。

これまで三島の劇は登場人物に感情移入して楽しむものではなく、飛び交う台詞のうちに劇の背後に見えてくるなにものかを楽しむものだと思っていました。ドラマが自立して、ただのお芝居ではない硬質の感触を与えてくれます。

ところが今回の『朱雀家の滅亡』では、登場人物それぞれが、芝居の1個の駒でなく、独立した信念と心情をもって激しくぶつかり合う様を観せてくれました。5人のそれぞれの心情がひしひしと迫ってきて、それぞれに共感し思わず涙してしまうという驚きの展開でした。

小説を含め三島作品でよく言われるのは、複数の登場人物も本来ひとりの人格を分割して振り分けたものであるということで、私も三島戯曲の舞台では、これほどまでに人間と人間がぶつかり合う葛藤を感じたことはありませんでした。

演出は新国立劇場の演劇芸術監督の宮田恵子ですが、これが演出の力なのでしょうか? それともキャスティングの成功、役者の方々の力だったのか?

いずれにしても、最高の舞台を観せてもらいました。

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筆者のプロフィール

  • 竹内 晃

  • 1953年巳年生まれ
    電子楽器メーカーコルグに30年間勤務。退職後インディーズチケットオンラインを立ち上げ、現在に至る。

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