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2011年5月24日のライブ

今回は昨日見てきたライブのレポートです。

場所は新宿URGA(ウルガ)です。新大久保と新宿の中間にある職安通り沿いにありました。

【TOKYO SWING vol.14】
2011年5月24日(火)開場18:00 開演18:30
出演:オワリズム/股下89/ギター大学/HOMME/悲鳴

HOMMEを見に行ったのですが、股下89や悲鳴もなかなかよくて、収穫のあったライブでした。

股下89
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HOMMEと股下89はいわゆるギャルバンです。ヴォーカルが多少脱力したところがあってサウンド的にも近い、ごつい感じのロックですが、さらに共通するのは、余計なパフォーマンスがなく、ひたすら演奏に集中するその姿勢です。そのせいか、いい音出してます。

HOMMEは、丁寧なドラミングと後半「deadspot」で聴けたギター・ソロが印象に残りました。

HOMME
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どうも最近の男のバンドは、演奏以外の部分に目がいっているかもしれないなぁと改めて思った次第です。

悲鳴
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悲鳴はベースが女性で、他は男性ですが、ちょっと暴れすぎかも。音的には面白い部分もありました。もう少し丁寧に演奏してくれたら、かなりいいんじゃないかと思いながら、帰ってきました。

キング・クリムゾンの「スターレス」

マーラーのことをいろいろ書いて来ましたが、改めて思うのは、わたしが音楽に感動するのは、何かが解き放たれ、それが予想を超えていくときだということです。予想を超えていくという感覚は不思議なもので、1回聴いたら結果が分かって2回目以降は予想が出来る、というのとは違うのです。

予想を超えていくものは、何回聴いても何かを超えていき、感動してしまうということなのです。学習能力がないのかなぁとか思ってしまいます。

そろそろロックの話もしておこうと思うので、予想を超えていく曲を1曲紹介しておきます。キング・クリムゾンの「スターレス」という曲です。『レッド』というアルバムの最後に収録されています。

『レッド』
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「スターレス」は全体で12分を超える長い曲ですが、前半はゆったりしたバラード系のボーカル曲です。後半インスツルメント曲となり、ギターの同音反復が延々と繰り返され、パーカッションとドラムスによって様々に変奏されていき、ひたひたと盛り上がって、突然曲調が変わると、はじけたようにサックスのソロとギターのソロが入ります。そして、最後にイントロのメロディーがサックスとギターのユニゾンで再現されて頂点に達し、幕を閉じます。

頂点に達したとき、別の視界が開け、何かがかいま見えるのです。

エリアフ・インバル

ロバート・アシュレイ指揮、プロ・ムジカ交響楽団の「交響曲第5番」を聴いてから10年後、マーラーに新たなブームが起こりました。エリアフ・インバルのマーラーです。

それまでの指揮者の個性を情熱的に楽曲へ投影していくマーラー演奏の常道から一転し、楽譜を詳細に読み込んで楽譜を忠実に再現しようとするインバルのマーラーは、新時代のマーラーへの嚆矢となりました。

背景には、1980年代に入ってCDの時代となり、当初はアナログ録音されたテープからCDを製作していたレコード会社に、最初からデジタルで録音しようという動きが起こったことがあります。

その時期に日本コロムビアがクラシックのデジタル録音のために、白羽の矢を立てたのがエリアフ・インバルとフランクフルト放送交響楽団によるマーラーだったのです。

インバルの指揮法と、デジタル録音の効果を世に示すべく、すべての音を精緻に聴かせたいというコロムビアの目論見がうまく合致したという幸運もありました。分析的ともいわれるインバルのマーラーですが、その手法は現在では主流の演奏法となっています。

とはいっても、わたしはロバート・アシュレイのマーラー以外に特別知るものはなかったので、ブームに乗せられていただけかもしれません。マーラーの交響曲は、この時期にインバルでCDを揃えました。

『マーラー:交響曲第5番』
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マーラーの音楽

実はわたしが小学生の頃には、マーラーという作曲家は、一般の人にとっては無名の作曲家でした。

それが高校生の頃になると、音楽の教科書の口絵に、バッハやベートーヴェン、モーツァルトと並んで写真が掲載されるようになりました。その後もどんどん人気が上がって、いまやオーケストラの演奏会においては最大の人気作曲家となっています。

マーラーの音楽の特徴は、非常に内面的なナイーヴなところから着想して、重層的で長大な作品に発展するという点にあります。その点が、20世紀の後半になって、個の時代への転換の波に乗り、評価を高めた要因かと思います。

そういった点で、大部の小説「失われた時を求めて」を書いたフランスの小説家マルセル・プルーストと共通する部分があります。

共にユダヤ系、7月生まれで、生きた時代も19世紀の終わりから20世紀の初頭に掛けてでした。同じく50歳前後で亡くなるまで作品を書き続け、未完の作品を残し、かつ今その未完の部分を含めて今わたしたちが享受することが出来ているという点でも似ています。

マーラーは、その1番から10番までの交響曲全体が大河小説のようなものだといわれたりします。(ますますプルースト的!) そのせいもあってか、最近はCDの交響曲全集では、曲ごとに盤を分けずに楽章単位で連続して収録されたりします。

まあ、単純にCDの枚数を減らして価格を安くするため間を詰めたという営業的理由のようですが、デジタル・音楽プレーヤーの普及によって、全交響曲を通しで聴く、そういうスタイルも可能になったということでもあります。

マーラーの交響曲第5番

わたしがマーラーを最初に聴いたのは、大学生の時です。もう35年も前のことになります。大学の生協で買ったロバート・アシュレイ指揮、プロ・ムジカ交響楽団の「交響曲第5番」のアナログ2枚組が、最初のマーラーでした。

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レコードに針をおとすと、第1楽章の冒頭のトランペット・ソロがオーケストラといっしょになり、目くるめくばかりに激しく滝のように雪崩れ込んでいきます。その音響の奔流に圧倒されました。一瞬のうちにマーラーに魅了されていたのです。

そして、他のダイナミックな楽章と対比される、第4楽章アダージェットの弦楽アンサンブル。豊饒でありながら、静謐かつ崇高な美しさは、まさに天上の音楽です。

5つの楽章で構成される変則的な交響曲なので、最後は再びダイナミックな楽章によって締めくくられます。

しばらくの間、このアルバムばかり聴いていました。

1枚のアルバムに(マーラーは2枚組ですが)これほどのめり込んだのは、キング・クリムゾンの「リザード」とマーラーの交響曲第5番くらいしか記憶にありません。

なぜマーラーのレコードを買ったかというと、当時人気があったイギリスのプログレッシヴ・ロック・バンド、イエスのメンバーがよく聴く音楽としてシベリウスとマーラーの名前を挙げていたからです。

たまたま大学の生協に廉価盤が置いてあったのが、マーラーとの出会いとなりました。

その後、マーラーの交響曲はCDで全曲揃えましたが、いまでも「交響曲第5番嬰ハ短調」はわたしのとって特別な曲です。

グスタフ・マーラー

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グスタフ・マーラーはクラシックの作曲家です。

なぜインディーズチケットオンラインのブログで、最初にマーラーが出てくるのかと不思議に思うかもしれませんが、それは単純な理由で、クラシックなら話をマーラーひとりに絞れるからです。ロックについて書こうと思えば、どこから話をはじめていいか迷います。

ということでマーラーなのですが、わたしにとってマーラーの交響曲は、クラシックの中で唯一ロックと同じ次元で聴ける音楽なのです。

だいたいクラシックでは、通俗的にならないように、ベタにならないようにと、作曲家は自身で抑制してしまうようです。クラシックの大作曲家がポピュラーになった自身の人気曲を嫌っていた、というのはよく聞く話です。

その結果、クラシック音楽はだんだん分かりにくいものになっていきました。

マーラーにはそれがありません。マーラーは通俗的になることなど恐れず、とことん表現したいものを表現します。表現したいものが溢れ出し、あらゆるものをかなぐり捨てさせるのでしょうか。で、感性を解き放ったときの、解き放たれ方が凄い。

その点に共感するのかもしれません。

ここまでいくかっていうほど徹底していきます。まさに驚天動地の音楽です。それがロック的と感じる所以だと思います。

驚天動地

ブログのタイトルを「驚天動地」とした理由について、少し書いておきたいと思います。

インディーズチケットオンラインを始めて1年ほど経ったとき、「自分は音楽に何を求めているんだろう」と考えていて、ふと思い浮かんだのが「驚天動地」という言葉でした。

「そうだ! 驚天動地の音楽を聴きたいんだ!」っていう感じです。

その後しばらく、1年以上に亘って「驚天動地」という言葉を暖めて来ました。そしてブログのタイトルにしました。

辞書によれば「驚天動地」とは、『〔白居易「李白墓」より。天を驚かし地を動かすの意から〕世間を非常に驚かせること。』(三省堂 大辞林)だそうです。

世間を驚かせたい訳ではなく、自分が驚きたいだけなので、ちょっとわたしの気分とはズレがあります。しかし故事のほうは、白居易が李白の墓を訪れて、その荒れ果てた様子に「昔は天地も驚かすような名詩名文をつくったのに…」と嘆いた詩にあるらしいので、あながち外れてはいなさそうです。

要は「比類を絶して凄い音楽を聴きたい」というのが、わたしの望みなんだろうというのが結論です。

そこで、これからの話は「比類を絶して凄い」というのは何かということになります。

ブログを始めます

このたびブログを始めることになりました。

タイトルを「驚天動地の音楽を聴かせてよ!」としました。少し他力本願的ではありますが、3年前にインディーズチケットオンラインのサイトを始めたときの想いを、もっともよく表していると感じます。

思い返せば、わたしが聴いて最初に驚いた曲は、ビートルズの「ヘルプ」でした。イントロのコーラスの「Help!」の斬新な叫びにノックアウトされてから、45年以上が経ちました。この長い間の様々な驚きについて書いていきたいと思っています。

ぜひお付き合いをいただければ幸いです。

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筆者のプロフィール

  • 竹内 晃

  • 1953年巳年生まれ
    電子楽器メーカーコルグに30年間勤務。退職後インディーズチケットオンラインを立ち上げ、現在に至る。

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